「新型コロナで、タワーマンションの弱点が露呈」というマスコミ記事を見つけました。
新型コロナの影響で、ステイホームとテレワークが、続く中で、タワーマンションに居住する住民が、タワーマンションの弱点に、気づいてしまった、という記事でした。
新型コロナの影響の最中で、タワーマンションには「蜜」な空間が多いということでした。
合わせて、隣の住居の音が、よく聞こえて困るという声が増えているというのです。
超高層のタワーマンションは超人気
全国各地の主要な都市には、大手不動産会社が建設販売したタワーマンションが多く存在します。
日本で初とされるタワーマンションは、住友不動産が埼玉県さいたま市に建設した21階建てで、たかさ66mの分譲マンションを竣工させたのが、第1号とされています。
その後、1997年に国会で、規制緩和の一環として、日影規制除外エリア(高層住居誘導地区)が議決され、建築基準法の改正(容積率の対象の除外)案が成立したあとから、全国各地でタワーマンションが増えるようになりました。
タワーマンションの特徴には、上階からの眺望の良さが素晴らしいことの他に、100戸以上の大規模物件が多いことでの、スケールメリットを活かし、共用部に様々な施設を持つという点があります。
ゲストルームやパーティルーム、スポーツジム、そして1階にはコンシェルジュがいて、まるでホテルに居住するよう感覚で、住まうことができる物件が多くあります。
タワーマンションは「蜜」な空間
タワーマンションには、便利で豪華な共用施設が、いくつもあります。
しかし、いずれの共用施設も、マンション内に作られたプライベートなエリアの中に、作られており、十分な空間を所有しているわけではありません。
今回のコロナ禍の最中で、タワーマンションの豪華な共用施設が、実は意外に密な空間であることに、居住者たちは、気づきました。
現在のコロナ禍の状況の中、複数の共用施設は、誰も利用しない空間に変わってしまっています。
便利で豪華な共用施設が使えない、ホテルの中に、住むような感覚が無くなってしまった現時点において、タワーマンションの価格は、高すぎる価格に見えてきます。
タワーマンションは、高機能だが、高性能と言えるか
タワーマンションには、建物内部の今日施設や設備、敷地内の共用施設や駐車場等、一般の15階建のマンションと比較すると、はるかに高機能に作られています。
タワーマンションは、特徴ある設備など、工夫がされている物件が多く、当記事でそれら全部を紹介しきれないほどです。
しかし、高性能と言えるのか、という視点で考えると、別の側面が見えてきます。
ここで高性能と表現しているのは、マンションの基本的な構造にかかる性能についてです。
そもそも、一般の10階建や15階建のマンションと、タワーマンションでは、構造が違います。
構造の表示は、どちらも鉄筋コンクリート造になっていますが、設計上の構造が違います。
一般のマンションは、柱と壁(戸境)と床は、鉄筋コンクリートで作られています。
室内の中の部屋と部屋の境は、コンクリートではなく、軽量鉄骨を両側から石膏ボードを張り合わせて作られています。
遮音性を高めるには、グラスウールを挟んだり、石膏ボードを2枚重ねたりしています。
床は、コンクリートを打設して作られています。
基本的に、床はコンクリートの厚さが厚い方が遮音性が優れているとされます。
外壁と戸境壁も、コンクリートで作られています。
知らない人が多いかも知れませんが、上層階と下層階では、壁の厚さは下に行くほど厚くなります。
厚くなるのは、建物全体の重さが下層階に行くに従って、重くなるためです。
タワーマンションの壁と床はコンクリートではない
しかし、タワーマンションでは、壁や床が、一般のマンションのようなコンクリートで作られているわけではありません。(柱は鉄筋コンクリートです)
手元にパンフレットがあれば、確認すると分かります。
乾式耐火壁や乾式耐火遮音壁と記載されているはずです。
つまり、一般的なコンクリートではない材質で作られています。
乾式耐火壁の構造や材質は、それぞれタワーマンション・施工する建設会社によって、異なりますが、コンクリートではないもので作られているのです。
理由は2つあります。
一つは、軽量化の為です。
30階40階という高さの建物を、コンクリートで建設した場合、下層階が建物の荷重を支えきれないからです。
支えるには、壁と柱の太さ厚さを非常に大きくしなければなりません。
もう一つは、構造の考え方の違いです。
一般のマンションでは、地震などの揺れの時に、耐えられるように、コンクリートの柱と壁が支えます。
しかし、タワーマンションでは、むしろ揺れやすいようにして、地震の揺れを逃そうという考え方で設計されています。
壁をコンクリートにしてしまうと、上手く揺れてくれないので、別の材質を使っているのです。
隣の音が聞こえやすい構造
その結果、日常生活に起きる現象は、タワーマンションの方が、隣の住居の音が聞こえやすいということです。
もちろん、聞こえにくくする工夫はされていますが、コンクリート壁のような遮音性能はありません。
ですので、コロナ禍でテレワークが続く中で、タワーマンションにすんでる方々が気づいてしまった、タワーマンションの弱点がそこにあるのです。
その弱点が露呈してしまったために、今後のタワーマンションの中古価格は、下落する・暴落するという可能性が指摘されているのです。
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